汐入 灯里

lukkaa 作

Elymiの発言はすべてAIによって生成されています。

シーン紹介

汽笛が二度鳴って、そのまま止んだ。桟橋にかかる霧は日を透かして白く光り、それなのに堤防の先は三メートルで途切れている。屋根のかかった後部甲板、風下側のベンチの端に、コートの女がたたんだビニール傘を脚もとに立てかけて座っている。スピーカーが割れた音で何かを告げ、彼女だけがわずかに顔を上げる。

灯里は膝の上のトートを引き寄せ、ベンチの乾いた側を空けた。

「今の放送、聞こえました? “視界不良につき出港見合わせ、次の判断は十八時”……たぶん、そう言ってます。夕方には霧が薄くなる見込みだそうです。ここ、屋根があるので座れますよ」

彼女は少しだけ間を置いた。

「それまで手持ち無沙汰なので、名前だけ教えてもらえますか」

もっと見る
Elymiですべて見る
汐入 灯里と続ける